Random Transgenesis

はじめに

受精卵の前核に核酸などを注入する方法(Microinjection)で、Random Transgenesisによりトランスジェニックマウスを作製します。

トランスジェニックマウスの作製

注入用DNA(トランスジーン)溶液を200~400個のマウス前核期受精卵に注入し、仮親マウスの卵管へ移植すると、通常30~80匹のマウスが誕生し(10~20%)、2~10匹のトランスジェニックマウスが得られます。

  • ファウンダー(F0)マウスの搬出時に重要ですので、RIKEN BDRの微生物学的品質規格について、必ずご確認下さい。

  • 使用する受精卵の系統は、下記の通りです。
    Inbred;C57BL/6N
    Hybrid;BDF1
    Outbred;CD-1(ICR)
    上記以外の系統を希望される場合は、事前にご相談ください。

共同開発の流れ

  • 1
    依頼者お申し込み
  • 2
    依頼者、生体モデル開発チーム同意書締結
  • 1)トランスジーンのマップを提出して下さい。

    PCRによるスクリーニング結果の記載例

    2)トランスジーン調製方法

    Standard-sized DNA(~10kb程度)の場合

    詳細は「プロトコール(マウス)」をご参照ください。
    制限酵素処理:直鎖状DNAとし、ベクター配列部分をできるだけ除いてください。
    ゲルからの精製:アガルースゲルなどの不純物を除いてください。
    濃度と量:50ng/μl inTEを30~50μlご準備ください。また、可能であればロットの異なるものをご準備ください。
    受け取ったトランスジーンは、1~5ng/μlになるようにPBS(-)で希釈後、Microinjectionに使用します。

    BAC DNAの場合

    DNAの形状は、環状でも線状でも構いません。
    濃度と量:50ng/μl inTEを30~50μlご準備ください。また、可能であればロットの異なるものでご準備ください。
    詳細は、「プロトコール(マウス)」をご参照下さい。
    精製法やModificationに関しては、下記の文献をご参照下さい。

    • Yang XW, Model P, Heintz N.
      Homologous recombination based modification in Esherichia coli and germline transmission in transgenic mice of a bacterial artificial chromsome
      Nature biotechnology 15 859-865 (1997)
    • Gong S, Zheng C, Doughty ML, Losos K, Didkovsky N, Schambra UB, Nowak NJ,Joyner A, Leblanc G, Hatten ME, Heintz N.
      A gene expression atlas of the central nervous system based on bacterial artificial chromosomes
      Nature. 425 917-925. (2003)
    • Gong S, Yang XW, Li C, Heintz N.
      Highly Efficient Modification of Bacterial Artificial Chromosomes (BACs) Using Novel Shuttle Vectors Containing the R6Kgamma Origin of Replication
      Genome Research 12 1992-1998 (2002)

    3)送付方法

    冷蔵便で、下記に送付して下さい。

    送付するもの

    トランスジーン:トランスジーン名、濃度、調製日を明記してください。
    濃度調整後の電気泳動写真、およびOD260/280、OD260/230値を記入したものを、同梱またはメールで送付してください。

    送付先
    〒650-0047 神戸市中央区港島南町2-2-3
    理化学研究所 生命機能科学研究センター
    生体モデル開発チーム トランスジェニックマウス担当 宛
  • 4
    生体モデル開発チームマイクロインジェクション
  • ファウンダー(F0)マウス離乳後(4週齢)にテールを送付しますので、PCRによるスクリーニングを行なって下さい。

    PCRによるスクリーニング結果(PDF)を、テール送付日から2週間以内にご提出下さい。
    送付先:mutant.bdr(at)riken.jp

    Random Transgenesisでは、通常トランスジーンは染色体上のランダムな位置に1~数十コピーが連なった形で挿入されています。PCRではコピー数や組込みに関する情報が得られませんので、Southern Blotによる確認をお勧めします。
    トランスジェニックマウスが得られなかった場合、ご要望に応じて再度Microinjectionを行います。掲示板よりご連絡のうえ、トランスジーンを再調製し送付して下さい。但し、コンストラクトを改変する場合は、新規お申込みとして承ります。

  • RIKEN BDRの微生物学的品質規格について、必ずご確認下さい。

    ファウンダー(F0)マウスは離乳後(4週齢)に搬出致します。
    ファウンダー(F0)マウス引き渡し通知から実際のマウス搬送までは、1ヶ月以内とします。

    生体モデル開発チームからマウスを搬出する際、搬出先において使用計画等があること及び適切な拡散防止措置等が執られることを確認しています。貴機関の動物実験計画、遺伝子組換え実験計画に、共同開発で作製するマウスの情報が含まれていない場合は、実験計画への追加等、ご対応をお願いいたします。なお、生体モデル開発チームから搬出のご連絡後、1ヶ月以内にお受け取り頂けない場合は、飼育スペースに限りがありますので、外部の飼育施設に搬出します。飼育費用等は別途かかりますので、遅滞なくご対応いただけますよう、お願い申し上げます。
    上記に該当する書類がない場合、および生体モデル開発チームが提出すべき書類がある場合は、お早めにご連絡ください。

    運搬費用は作製費用には含まれておりませんので、ご注意下さい。

  • ファウンダー(F0)マウスを野生型マウスと交配し、得られたF1マウスに対して、速やかにgenotypingを行い、データを生体モデル開発チームにご提出ください。

  • 樹立したラインは生体モデル開発チームで系統保存しますので、1ラインあたりオス2~3匹(12~40週齢)を、系統保存用マウスとして生体モデル開発チームにご提供下さい。
    凍結保存用のマウスが用意でき次第、CDB Webの掲示板(またはmutant.bdr(at)riken.jp)にご連絡下さい。

  • 第一報の論文発表について、論文投稿前に必ずご連絡下さい。生体モデル開発チームから共著者として加えて頂く者を指定させて頂きます。
    また、Materials and Methods には、指定URLとAccession No.を記載していただくことを求めます。
    トランスジェニックマウスのAccession No. は、論文発表時に付与いたしますので、お問い合わせください。

  • 凍結保存胚の一部を、RIKEN BRCへ寄託します。寄託手続きやマウス(凍結保存胚)の搬出は、生体モデル開発チームが行います。
    寄託に際しては、(1)分与に際しては甲の合意を得ること、(2)論文発表に際し当該変異マウスの由来に関し第一報を引用しAcc. No.を記載すること、(3)発表論文を甲、乙に連絡することを分与条件とします。この際、共同開発依頼者(甲)は、分与依頼者との協議により、共同研究とする、研究目的を限定する、その他の条件を指定することができますし、分与を拒否することもできます。協議が成立しましたら、生体モデル開発チーム(乙)にご連絡下さい。その条件の下でマウスを分与するようRIKEN BRCに依頼します。

依頼方法

mutant.bdr(at)riken.jpに連絡し、下記の書類を案内に従って送付して下さい。
書類受領後2週間以内に、署名・捺印した共同開発同意書のPDFをメールで返送致します。 初めて申し込まれる研究室には、遺伝子改変マウス作製管理システム(以下;CDB Web)にログインするためのID番号と初期パスワードを発行します。
同意書を受領後、ID番号と初期パスワードでCDB Webにログインして下さい。
※以降の連絡事項は原則としてCDB Web内の掲示板にご記入下さい。

RIKEN BDRの微生物学的品質規格について、必ずご確認下さい。

必要書類

  1. マウス作製申込書

  2. トランスジーン構造図
    必要事項を記入のうえ、メールでmutant.bdr(at)riken.jp に送付して下さい。
    マップの書き方について

  3. 共同開発同意書(Tg)
    同意書に遺伝子名を記入し、署名・捺印の上、PDFをメールでお送り下さい。
    同意書のご署名は所属長(=教授、またはこれに準じる方)に限ります。